はじめに|フランス語の発音は「暗号」ではない
フランス語を始めたばかりの頃、多くの人が最初にぶつかる壁があります。
それが、
「スペルと発音が全然違うじゃん!」
問題です。
しかし実際は、以下のルールを覚えてしまえばほとんどすべての単語が読めるようになります。
また、英語と違って例外はほとんどありません。
この記事では、手っ取り早く読めるようになりたい人向けに「発音ルール25選」をまとめました。
まずはカタカナで読めるようになることを目標にしましょう。

もちろん正しい発音を知ることも大事なので、余裕があればそれも調べておくことをおすすめします。
語末の子音を読まないルール
1. 語末の子音字
フランス語最大の特徴です。
語末の子音字は基本的に発音しません。
例
| スペル | 発音 |
|---|---|
| Paris | パリ |
| petit | プティ |

Paris→パリス、petit→プティットゥではないことに注意!
ただし例外があります。
発音することが多い語末子音
- c
- f
- l
- r
この4つは比較的読まれやすいです。
リエゾンにも注意
後ろに母音から始まる単語が来ると、普段読まない子音が復活することがあります。
これをリエゾンと呼びます。
例
Champs-Élysées
→ シャン・エリゼ ❌
→ シャン・ゼリゼ ⭕
フランス語特有の「単語同士をつなぐ発音」です。
基本母音を覚える
2. 母音 a, i, o
この3つはほぼそのまま読めます。
| 文字 | 発音 |
|---|---|
| a | ア |
| i | イ |
| o | オ |
例
- Paris → パリ
- chocolat → ショコラ
3. 母音 u
uは「ウ」ではありません。
口をすぼめた「ユ」に近い音です。
例
- buffet → ビュッフェ
- truffe → トリュフ
4. é(アクサン・テギュ)
éは常に「エ」です。
後述するeは位置によって発音が変わりますが、こちらは変化しません。

ちなみにアクセント記号がついていますが、決してここにアクセントをつけるという意味ではありません。「エ」と読むという意味しかありません。
例
- café → カフェ
- métro → メトロ
5. 語末の e
語末のeは「ウ」に近い音になりますが、実際の会話では発音されないことも多いです。

直前の子音を発音した時点で「ウ」の音で終わってるように聞こえると思うので、発音するかどうかはあまり気にしなくても大丈夫です。
例
- France → フランス
- potage → ポタージュ
6. è と ê
アクサン・グラーヴ(è)とアクサン・スィルコンフレックス(ê)は
どちらも「エー」に近い音になります。

こちらはちょっとアクセントつけて読むというイメージで大丈夫です。
ちなみにアクサン・スィルコンフレックスはかつてその後にsがあった名残です。
例
- père→ペール(rは喉を震わせる音)
- fête→フェット
7. 音節末のeとそれ以外のe
フランス語のeは場所によって発音が変わります。
大雑把に言うと、
- 音節末のe → ウに近い音
- それ以外 → エ
として覚えると楽です。

音節とはひとまとまりのリズムみたいなものです。
母音1つにつき1音節と思ってください。
母音字1つではないことに注意!
例
- Renaissance → ルネッサンス
- gourmet → グルメ
複合母音(2文字以上で1音)
8. ai, ei
ai、eiは「エ」と読みます。
例
| スペル | 発音 |
|---|---|
| maison | メゾン |
| beige | ベージュ |
9. oi
oiは「オワ」と発音します。

そのまま「オイ」と読まないように注意してください。
例
- croissant → クロワッサン
- foie gras → フォワグラ
10. au, eau
どちらも「オー」と発音します。
例
- restaurant → レストラン
- château → シャトー
11. ou
ouは口を前に突き出して「ウー」と発音します。
例
- blouson → ブルゾン
- boutique → ブティック
12. eu
euは実際には2種類あります。
ただし初心者は
ウー系の音
と覚えておけば十分です。
例
- meunière → ムニエル
- pot-au-feu → ポトフ

ポトフのトの音は、子音字tで終わった後に母音auから始まっているのでリエゾンしているのでこのような発音になります。
鼻母音(フランス語の看板システム)
13. en, em, an, am
鼻から息を抜く音です。
カタカナなら「アン」や「オン」に近い音。

口からではなく、鼻から息を出すイメージ。ちょっと鼻にかかったような音が鳴っていればOK。
例
- ensemble → アンサンブル
- genre → ジャンル
14. in, im, ain, aim
こちらも鼻母音。
「アン」と「エン」の中間です。
例
- Chopin → ショパン
- gratin → グラタン
15. on, om
「オン」に近い鼻母音です。
例
- bouillon → ブイヨン
子音ルール
16. r
フランス語のrは特殊です。
うがいをするときのように喉の奥を震わせます。
発音のコツは以下の記事も参考にしてください。
17. qu
qの後には大抵uが続き、qとuセットで、英語のkの音を表します。
- qui → キ
- quoi → コワ
- quand → カン
のように発音します。

qui→クイ、quoi→クオワ、quand→クアン
ではないので注意!
例
- étiquette → エチケット
- enquête → アンケート
18. gn
gnは
ニュ
と発音します。
例
- cognac → コニャック
19. c と ç
cは後ろの母音によって変化します。
| 形 | 発音 |
|---|---|
| ce | セ |
| ci | シ |
| ca | カ |
| co | コ |
| cu | キュ |
セディーユ(ç)
無理やりsの音にする記号です。caやco、cuをサ行の音で読みたいときはこの記号を用います。
| 形 | 発音 |
|---|---|
| ça | サ |
| ço | ソ |
| çu | シュ |
例
- cinéma → シネマ
- garçon → ギャルソン
20. g
gも後ろの母音で変化します。
| 形 | 発音 |
|---|---|
| ge | ジュ |
| gi | ジ |
| ga | ガ |
| go | ゴ |
| gu | ギュ |
giやgeをガ行の音で読ませたいとき
gi(ジ)やge(ジェ)を「ギ」、「ゲ」のように読ませたいときはgui, gueのようにします。
| 形 | 発音 |
|---|---|
| gui | ギ |
| gue | ゲ |
グイ、グエではないので注意してください。

17. のquと同じように、guでワンセットと捉えてください。
例
- escargot → エスカルゴ
- baguette → バゲット
- argument→アルギュモン
21. h
hは読みません。
例
- hommage → オマージュ
22. ch
英語の「チ」ではありません。
フランス語では
シュ
です。
例
- chocolat → ショコラ
- parachute → パラシュート
23. s
基本は「ス」です。
ただし、
母音+s+母音
になると濁ります。
例
| スペル | 発音 |
|---|---|
| dessin | デッサン |
| maison | メゾン |
24. th
英語のthではありません。
ほぼtです。
例
- discothèque → ディスコテック
- salon de thé → サロン・ドゥ・テ
25. il, ill
少し厄介なルールです。
パターン1
イユ
パターン2
イル
どちらになるかは単語ごとに覚える必要があります。
ただし、
イユになる単語の方が多い
という感覚で大丈夫です。
例
- bouillon → ブイヨン
- Bastille → バスティーユ
まとめ|まずは「読める単語を増やす」が正義
フランス語の発音は複雑に見えますが、大学の第二外国語レベルなら次の3つだけでもかなり戦えます。
- 語末の子音は読まない
- 複母音(oi, au, ouなど)を覚える
- 鼻母音(an, in, on)を覚える
特に、
- croissant(クロワッサン)
- château(シャトー)
- maison(メゾン)
- restaurant(レストラン)
あたりが読めるようになると、「フランス語の暗号」が一気に解読できる感覚が出てきます。
最初からネイティブ発音を目指す必要はありません。まずはスペルを見てカタカナ化できる状態を作ること。それだけで教科書の心理的ハードルはかなり下がります。



